ウルトラQ~dark fantasy~case12 |特撮(映像)
ウルトラQ~dark fantasy~case12
出演:特撮(映像) /袴田吉彦 /遠藤久美子 /草刈正雄
エイベックス・トラックス
発売日 2004-12-22
第12巻 2007-01-19
■第23話『右365度の世界』
物理の話
。前半のレギュラーである新聞記者(袴田・遠藤)が出なくなっているが、
草刈氏の教授が渋く出演。
教授の立ち位置は、こういうイベントに能動的に関わるのではなく、
助言的でもなく、ただ傍らにて接するような本作のスタイルの方が
作品に深みがあっていいのではないか、と思えるほど、この23話は出来がいい。
世界の有り様と観測者について、『ダークファンタジー』として描くこの23話は、
30分という短い時間ながら映画顔負けの密度で非常に出来のいい作品になっている。
扱っているテーマと、どこか古びた風合いを出したフィルムチックな映像。
かなり大人向けの作風で、怪奇ものというよりも幻想譚であり、
他者との隔絶から「脱却」した主人公の成長物語であり、
またその彼女の恋愛譚的側面であり、そういった複合的な側面を
幻想的な映像がテレビシリーズにしては高次な映像が見事に表現している。
全編を通じてこのような作風にして欲しかった、そう思えた。
■第24話 『ヒトガタ』
これも大人向けの作品群の一つ。有名な実相寺監督作品。
23話が世界の有り様というマクロ的な哲学の話であるなら、
24話はミクロの視点で切り込んでいる作品。
映像も全般的に暗く、しかしおもしろい作風となっている。
テーマは存在だと思う。
ヒトガタに宿る命は、病んだオトコの想念から生まれたものであったのか。
これを仏教の『縁起』(存在とは相互の関係性によって生み出されるもの)に
依ったのが東洋思想を愛した実相寺監督らしい作品に感じた。
詳しくは本作をごらんのこと。
惜しむらくは、ラストでいきなり呪詛を用いたシーンがでてくるが、
それまでの流れから余りに分断されており、これによる解決手法は
話の腰を折った感じであった。
本巻の全体的な印象としては、
作風が大人向けの作風で、特に23話は特筆。
映像もテレビシリーズとして秀逸。
最初からこの路線でいけば、と思えるほど前半の作品群と出来が異なる。
この巻は特にオススメ。